01.開封直後の生漆(きうるし)

写真の容器は約25kg入りです。最初は写真のように乳白色をしており、採取した際の漆の木の皮などの不純物が混入しています。
黒の漆を作る場合は、くろめ作業の1週間ほど前に鉄粉を混入し、毎日攪拌しておきます。

02.くろめ

くろめの目的は、生漆に含まれている水分を蒸発させ、塗料としての特性を安定させることにあります。
フネに生漆をあけ、拌棒(ハンボウ)で直射日光の下で攪拌します。
生漆2貫目(約8kg)で2時間ほどの攪拌が必要です。

03.採集

くろめ終わった漆を桶に移します。フネには採集用の穴があいています。
採集している桶は1貫目(3.75kg)のものです。

04.くろめ終わった直後の漆

生漆の乳白色と比べて、真っ黒に変化しています。
この段階では漆の木の皮、黒くするために混入した鉄粉その他の不純物が混ざっています。

05.漆濾し(粗濾し)

前述の不純物を取り除くために、濾し機にかけます。
ろ過には濾し紙(吉野紙)を使用します。
器に塗る場合は、更に空気中のほこり等の不純物(塵埃)を取り除いてから(本濾ししてから)使用します。
くろめ作業が全て終わると、当初含まれていた水分と不純物が取り除かれ、体積が約3分の2ほどになります。